株式会社Polyscapeを設立しました。人がより自由に生きられるバーチャル世界創造に向けて。

Hiroki Shimada
Mar 28, 2022

--

(English Version is here.)

前回の記事でもお伝えしたように、2022年2月にLAPRASの代表を交代し、2022年2月22日に、新会社 株式会社Polyscape(ポリスケープ)を設立しました。そして、本日設立およびシード資金調達のプレスリリースを出しました。と同時に、公式WEBサイトも公開しました。
WEBサイト:https://www.polyscape.io/

この記事では、Polyscapeのミッション、名前の由来、この会社で創ろうとしている世界、そしてそれまでの道のりについて語っていきたいと思います。

人がより自由に生きられるバーチャル世界を創造する

「人がより自由に生きられるバーチャル世界を創造する。」これがPolyscapeのミッションステートメントです。前回の記事では「人類をもっと自由にする」というミッションと「バーチャル世界に経済圏を創り、 より自由な経済活動を創出する」という10年ビジョンでしたが、少しフォーカスを絞りました。究極的には「人類をもっと自由にする」というPurposeを目指してはいるのですが、やってることをより伝わりやすくしたかったのと、しばらくの間はバーチャル世界の可能性にベットしていくと思ったからです。ただ、見ての通り軸はほとんど変わらないです。

詳しい意味合いは後述しますが、つまるところ、人々をより自由にするためにバーチャル上に “本当の意味で” 住める世界を創るということです。今でもまるで住んでいるかのように滞在できるバーチャル世界はありますが、本当の意味で住める場所はまだありません(「本当の意味で住める」の意味は後述)。結局生活を維持するために現実世界で働く必要があり、単なる遊びの場所にとどまっています。 現在は、自分の住む世界を選択できる状況にあるとはいえません。現実は素敵な場所ですが、生まれ、国籍、性別、人間関係、物理的制約、身体的制約など自由を縛るものもあります。現実と並ぶバーチャル世界ができれば、人々はより自由な発想で創作・生活し、望むのであればその世界で仕事を持ったり人間関係をもったりすることができます。 人がより自由に生きる選択肢を増やすために、現実以外に住める世界を創りたいと考えました。

また、なぜバーチャルか?という疑問もあるかもしれませんがバーチャル世界という言葉をミッションにあえて含めたのは、バーチャル世界の可能性に賭けたいからです。自由な世界の実現には、現実世界のしがらみや物理的制約に縛られない必要があります。もちろん、バーチャルにはバーチャルなりの制約があります(触覚や嗅覚がないとか)が、それは長期的には解決し、できることが増え、いずれリアルの価値に匹敵するものになるということにベットしています。たとえばWEST WORLD(非バーチャル × 非現実を描いたドラマです。見てない人は見ましょう。ただしシーズン1,2だけでいいです)のような世界観もなくはないですが、このミッションのうちはバーチャルにフォーカスしたいと思います。

Polyscapeが創りたい世界

バーチャルな世界が本当の意味で住める世界になるために必要な要素として、私は現時点では次の3つの条件が必要ではないか考えています。(事業を進めていくにつれて、解像度が上がり増えたり減ったりすると思います)

  1. ずっと居たいと思える
  2. 尽きない
  3. 生計を立てられる

これらについて説明します。

条件1:ずっと居たいと思える

これは、その世界に大切な人、大切なもの、楽しいことや遊びたいこと、価値ある体験があり、その人にとって帰りたい場所と思えるかどうかということを表します。これは、その世界にどれだけ時間を注ぎ込みたいと思えるかというところにつながります。この要素が無い世界は、根本的に人が時間を注ごうとしないので仮に生計を立てられる(お金を稼げる)としても、それらが長期的に繁栄することはなく、なにかがその上に発展するといったがプラットフォーム的な成長をすることはありえません。ある意味で、最も大切な要素といえます。

条件2:尽きない

これは、その世界においてやること「Todo」が永遠になくならないということを表します。コンテンツやイベントが生産され続ける仕組みがあり、決して飽きない、永遠にい続けられる無限性を有しているかということです。 これは1に内包される要素に見えますが、「ずっと居たいと思う」けど、「ずっといるとやることが尽きてしまう」という状況になることは往々にしてあり、これもまた重要な要素であるといえます。

条件3:生計を立てられる

これは、その世界での活動を通じて、現実での生活を維持することができることを表します。これが達成されれば、仮に24時間365日そこにいても現実での生計を立てられるので、いる時間の制約がなくなります。結果として、その世界には経済圏、価値とお金の交換の流れが出来上がります。私たちは、Play To Earnのような要素はあくまでも目的ではなく、ずっと居て住み続けることを可能にするための手段だと考えています。

2022年現在において、「現実」以外にこの条件をすべて満たす世界はあるでしょうか。VR ChatやNeos VR、マインクラフトはユーザーがコンテンツを生産し続けるため「尽きない」が、現在は生計を立てられる手段には乏しいです。 FINAL FANTASY XIVやFortniteのようなMMOゲームは1日10時間以上プレイする人もいて「ずっと居たいと思える」が運営のコンテンツ生産に縛られているためいずれ尽きる上、生計を立てられないためずっとやっていることができません(そのため、ずっとやっていると廃人などと呼ばれます)。Axie Infinityでは生計を立てている人もいるが、ずっと居たいと思えるかは怪しいし、できることの幅も狭く、世界というよりはあくまで現実上の遊びに過ぎません。

個人的には1の条件が最も重要だと思っており、いま出ているメタバースと呼ばれているプロジェクトの多くはその条件をクリアできずに「世界」にはならず、あくまで特定の用事を果たすため現実を延長した「メディア」「媒体」に近づくと考えています。(もちろん、現実を延長したメディアとしてのメタバースも一定の価値・市場規模はあると考えます)

Polyscapeってどういう意味?

ここで、Polyscapeのミッションをより深く理解していただくために社名の由来について説明したいと思います。Poly は「多数」とか「多量」という意味で、-scapeはlandscapeとかseascapeなどと使われるように、接尾辞として「風景」という意味を表します。なので直訳すると、「多層的な風景」といった意味になります。

「スケープ」というのは「風景」という意味にはなるものの、我々的にはこれを特殊な意味として用いています。それは、定義するとすれば「人々が住み、生きることができる時空間」といったところでしょうか。私達が生活する「現実」もそのひとつだと考えています(エンジニア的に言うと、「現実」というのはScapeクラスのインスタンスに過ぎないということ)。

たとえば、アニメ「ソードアート・オンライン(SAO)」の世界ではファンタジー世界を剣戟で戦うVRMMOソードアート・オンライン以外にも荒野を銃で戦うガンゲイルオンライン(GGO)や妖精になって冒険するアルヴヘイム・オンライン(ALO)など様々なMMOが存在します。作中では、これらのMMOは単なるゲームではなく、人々が生活を営む場として描かれています。つまり、「住む」ことができる時空間が現実以外にもあるのです。

図にするとこんな感じです。厳密には各MMOは現実内で運営されているものの、それぞれが住める時空間として現実相当の機能を有しているという意味では、それぞれのMMOが現実と並ぶ「スケープ」として君臨しているといえます。いわば、「スケープ」とは、先の3条件を満たす世界のことです。SAOの舞台は2022年の日本ですが、こういう意味でSAOで描かれている2022年日本は「ポリスケープ」な社会といえます。一方、今の2022年の世界には現実に相当するスケープがまだなく、スケープが現実ひとつだけの「モノスケープ」な社会であるということができます。

つまり、平たく言うと、バーチャルに住める世界を作ることで「モノスケープ」な今の世を「ポリスケープ化」し、人に自分の生きる世界(スケープ)を選ぶ自由を与えるというのがPolyscapeのミッションです。

余談ですが、わざわざ田んぼの田のような上の図を出したのは、Polyscapeのロゴマークの意味を理解してもらうためです。あの図をかっこよく描いたのがPolyscapeのロゴマークです。この世が複数のスケープに分かたれている様子を表しています。あと、別にスケープは世界に1つとか4つとかというわけでなく、たくさんあっていいと思います。

ちなみに、今回のロゴデザインは自分でやりました
ロゴ制作中のモック

人がより自由に生きられるバーチャル世界ができたらどうなるか

以上がミッションの話です。ミッションが達成された後の世界はどんなか、ということを自分はビジョンと呼んでいますが、ここからはビジョンの話をします。

バーチャル世界の経済的規模は、現実と同じか、それ以上に大きくなる可能性がある

バーチャル世界の経済的規模は、現実と同じか、それ以上に大きくなる可能性があると考えています。なぜなら、使っているお金というのは自分がそこに費やしている時間に比例すると考えるのが自然です。仮にバーチャル世界で生計が立てられるようになり、平日も仕事もバーチャル世界上でおこなっているとしたら、1日に8〜10時間以上バーチャル世界に滞在することになります。現実の服よりも、バーチャル世界上で着る服の方が種類が必要になり、結果としてそちらにお金をかけるようになる可能性が高いです。休日、現実でキャンプにでかけたりゴルフにでかけたりする日もあるかもしれませんが、イベントやパーティなどの娯楽もバーチャル世界でできるようになれば、そういった娯楽もバーチャルに置き換わり、現実での出費は減っていくでしょう。

総務省統計局の調査によると、人間の活動は次の3つに分けられるそうです。

  • 1次活動(生理活動):睡眠、食事、身の回りの用事
  • 2次活動(義務活動):通勤、通学、仕事、学業、家事、介護、買い物
  • 3次活動(余暇活動):移動、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、くつろぎ、学習、研究、趣味、スポーツ、社会的活動、交際、付き合い

これは少々極端かもしれませんが、一部の人にとって現実の活動は、究極的には1次活動しか残らない可能性さえあります。しかし、間違いなく3次活動の領域から2次活動の領域に広がっていくといえるでしょう。これはパラダイムシフトです。

個人がもっと輝ける社会になる

TwitterやYoutubeなどのインターネットサービスによって何者でない個人が自分の言葉や作品を発信し、場合によっては生計を立てることさえできるようになり、 個人がより輝けるようになりました。住むことのできるバーチャル世界の誕生はこの流れをより加速します。バーチャル世界では現実世界よりも低リスクでバーチャルファッションのブランドを立ち上げたり、バーチャル世界でサービスを提供する店舗を立ち上げるといったビジネスにチャレンジすることができます。土地などの空間も現実世界より低価格のため、自分の土地を買って広告を掲載したりサービスを始めたりすることも難しくはありません。現実では仮に有名でなくても、自分の好きな世界の中では有名になってファンがいたり、生計を立てたりと、個人にとっての自由が増えます。そしてそれは年齢や住む場所は関係無いため、地方の小学生や中学生がバーチャル世界でアイテムを売ったりバトルに買ったりして大人よりも稼ぐ、といった未来もあり得るかもしれません。バーチャル世界の存在と、それを自分で選べる権利は人の自由と創造性を加速し、個人がもっと輝ける世界を実現するでしょう。

リアルとバーチャルは二者択一ではない

ポリスケープな社会では自分の住む世界は自分で選ぶことができますが、それは他のすべてを切り捨てるという意味にはなりません。もちろん、相互に行き来することができるし、両方充実させることもできます。バーチャル世界で仕事がある場合、現実の仕事と両立して、副業的に収入の足しにしたり、週3日現実世界の仕事をして、残りはバーチャル世界で武器や素材を売って稼ぐ、といった働き方も可能かもしれません。また、SAOでも描かれているように、SAOのアバターをGGOに輸出するといったメタバース間のインターオペラビリティが実現されれば、同時に複数の世界に生きることも可能かもしれません。とにかく、ポリスケープ社会では新たな世界の存在によって自由が制限されることはなく、単に選択肢が増えます。

これ以外にも起きる変化はありますが、ひとまずこれくらいにしておきます。今後もよりビジョンの解像度が上がったら徐々に発信していきます。

千里の道も一歩から。Polyscapeの戦略

ご想像の通り、ミッション達成までの道のりは非常に長く、巨額の資金や人が必要になってきます。したがって、いきなり最終課題に取り組むのは得策ではなく、事業をすすめていく順序が重要になってきます。この1ヶ月間いろいろな人と壁打ちする中で、だんだんと登り方が見えてきました。

話は変わりますが、人がその世界の活動で生計を立てられるというのが我々が創りたい世界の条件のひとつですが、そのための強力なツールとなりそうなのがブロックチェーンです。暗号資産やNFTというインフラは、知らない人との価値交換を圧倒的に楽にしてくれます。セカンドライフのLindeXのようにオフチェーンで実装することも不可能ではないですが、取引が全世界に及ぶこととセキュリティ面を考えれば、ブロックチェーンインフラを利用するほうが圧倒的に楽です。なので、いずれはブロックチェーンを利用したコンテンツ開発は避けては通れないでしょう。そして、我々が創ろうとしているバーチャル世界の形はまだ予測できないもののMMOゲームに価値取引の仕組み(条件3)とコンテンツの無限性を担保する仕組み(条件2)がついたようなものになる可能性が高いと考えています。便宜上これを「オンチェーンMMO」と呼ぶことにします。これを創る上で、次のようなロードマップを策定しました。

ここに書いてある期間や資金はおそらく事業を進めていく上で確実に変わると思いますが、簡単に言うと、第1段階はコンテンツ力を鍛えるためオフチェーンゲームを開発・リリースし、第2段階はPlay To Earnの要素を内包したオンチェーンゲームで仮説検証を行い、そして第3段階としてそれまでの成果にレバレッジを効かせ資金調達を行い、オンチェーンMMOを展開していくというものです。

PHASE1:オフチェーンゲームから出発

つまり、創業から数年はコンテンツビジネスを展開します。コンテンツビジネスから展開していくのには理由があります。これは自分の信じる大きな仮説ですが、人が日常的に居続けたいと思えるメタバースは、ゲームを中心に発展すると考えています。メタバースが現実以上に存在感を持つためには、そこの滞在時間がキーとなります。そして、滞在時間は人が自分の時間をじっくり溶かしたいと思えるコンテンツがキーとなります。何もない空間に人は集まろうとしないでしょう。ソーシャル性なども人が時間をかけたいと思うドライバになり得ますが、MMOのようなコンテンツ性とソーシャル性が合わさった空間は、さらに強いドライブ力を発揮します(MMOをプレイしたことのある人なら理解できるはず)。 また、これは個人的な意見ですが、メタバース上にバーチャル渋谷やバーチャル原宿があっても、正直自分ならば行かないと思います。仮に1回は行っても、リピートして日常的にずっと居たいとは思いません。別の例ですがFortniteがメタバースの発端となったのも、バトルロワイヤルゲームとして人が時間を溶かすドライバがあった上でイベントやクリエイティブ要素といったプラットフォーム要素が載っているからだと思います。逆の順序は成り立たなかったと思います。

週に何時間Fortniteをプレイしますか? (Fortnite — The All-Consuming Gaming Hype(statista) より引用)

我々がコンテンツビジネスから入る理由は、数年かけてゲームとしてのコンテンツ力を磨くためです。ここで磨かれるコンテンツ力(つまるところコンテンツを作れるチーム力)が、先の条件1の「ずっと居たいと思える」状態を作り出します。Play To Earnシステムを運営する上でブロックチェーン技術といったところも大事ですが、それはどちらかといえば必要条件であって競争優位性ではありません。

そのために、我々は最初はオフチェーンゲーム領域から出発します。このファーストプロジェクトは巨大化させず、スモールなタイトルを素早くリリースします。これはコンテンツ力の強いチームを作るというねらいもありますが、早期に黒字化を図り会社としてキャッシュポジションを安定化させてエクイティで調達する資金を成長投資に回しやすくするというねらいや、開発からリリースまでのサイクルを最速で一周回し切ることで知見を素早く貯めるというねらいもあります。

ちなみに、無論このタイトルから英語版などでローカライズも行って、全世界リリースにしていく予定です。

PHASE2:Play To Earn に潜む課題の解決

PHASE2に移行するまでに何タイトルか重ねる可能性はありますが、いずれにせよ次はPlay To Earn要素をもったゲームの開発に着手していくでしょう。現状、Play To Earn(ブロックチェーンを使ったものや、Diablo3のようにRMTを公認したオフチェーンのものも含め)には様々な課題があります。

  • ノンゼロサムゲーム(ログインボーナスがもらえる、無料でPvPに参加できる等)だと、市場流通量が増えて、トークンの価値がロングタームで下がる傾向にある。下に掲載したAxie InfinityのSLPがその例です。
記事執筆時点から過去6ヶ月のSLP価格 (Axie Infinityで使われるトークンのひとつ)の価格
  • ゼロサムゲームだと損をするプレイヤーが参加せず、流動性がなくなってしまう。
  • 経済圏に参加する人が出ていく人より多くなければ長期的に成り立たない(トークンの買い手が常にいなければ、トークンを現金に変えることができない)。正の循環を回し続けなければいけない。
  • ゲームでお金が稼げると、お金を稼ぐための業者が参画し、ゲーム性がなくなる。酷評でありながらもプレイヤー数が増え続けているブロックチェーンMMORPG MIR4(参考)などがその例です。過去にRMTを公認したDiablo3でも同じようなことが起きています。
  • コンテンツの幅・質がまだまだPoorで、楽しいからやるのではなく稼げるからやる、という状況になっているものが多い(結果として、上の問題につながる)。
  • 主要国でNFTのクレジットカード決済ができないなど、暗号資産やNFTの購入に一定のリテラシーが必要で敷居が高い。結果としてプレーヤーが一部に留まっている。

ここでは深くは語りませんが、単純にゲーム内通貨を暗号資産に変えるだけではPlay To Earnが長期的に成り立つわけではなく、それなりの設計が必要になってきます。そのような課題に向き合い、オンチェーンゲームタイトルを開発しつつ、場合によってはそういったインフラ面でのソリューションも含めて解決策を模索していくのがWAVE2になります。

また、この領域に本格的に参入する場合はトークンセールなどをする可能性がありますが、その場合日本では法律上やりにくいので、必要に応じて海外法人などを設立する考えです。

PHASE3:バーチャル世界での生活圏・経済圏の構築

このフェーズ以降は、コンテンツビジネスからプラットフォームビジネスに変化していくことになるでしょう。便宜上オンチェーンMMOと書いていますが、運営がすすむにつれMMOゲームという実態よりはいわゆるメタバースと呼ばれている実態に近づいて行くと思います(ただ、今メタバースと呼ばれているものとも違います)。自社で作ったコンテンツを売ってマネタイズするという形態も残りつつも、この世界の機能を使って誰でも簡単にこの世界のコンテンツ(おしゃれな服や武器、家具、便利な道具などのアイテムの他、ストーリーやクエスト、イベント、店舗など)が作れる仕組みを作り、その売買収益の手数料でマネタイズするといった形や、そういったバーチャル上のコンテンツやリアルのアイテムを宣伝する広告を掲載するといったマネタイズ形態に近づくでしょう。ただ、広告を掲載する土地や空間の所有権もNFTによって個人に帰属している可能性があるので、従来のWeb2.0型のマネタイズがワークするとも限りません。ここはまだ未知数です。

ここで大事にしたいのが、中央集権型と分散型のコラボレーションです。近頃のWeb3.0ブームによりなんでも分散型が良いと言われたり、なんでもDAO化してVotingで決めようとする向きがあります(もちろん適した場所に使えば優れた技術だと思います)が、FINAL FANTASYやゼルダの伝説など、過去の優れたコンテンツは比較的トップダウンで作られているように思えます。MMOのコミュニティを見ていても、コミュニティの雑多な意見をVotingで吸い上げて決めても多くの人が喜ぶものになるとは思えません。個人的には、コアとなるシステムや枠組み・一部のコアなコンテンツは中央集権的に作って、中身となるボリューム部分は分散的・集合的に作っていくという方法が一番ワークすると思えます。そのためにも、PHASE1,2で培われるゲームとしての高いコンテンツ開発力がキーとなるのです。

PHASE3はあくまで始まりに過ぎず、それを住める世界にしていき、人口を増やしていくというフェーズがそのあとに続きます。その頃には、いまでは創造もしないような課題が見えていることでしょう。この戦略もあくまでも現状見えているものに基づいて作られているので、今後事業の進捗によっては変貌を遂げることでしょう。

さいごに

まだ企画中でもあるため大きく方向性が変わる可能性もありますが、現在最初のオフチェーンタイトルとして出していく予定の作品のスクリーンショットを貼っておきます。いまのところ、Steam等のプラットフォームでPC向けゲームとして全世界に向けてリリースしていく予定です。こちらはもう少ししたら情報を出すことができると思います。会社としては、しばらく仲間集めのフェーズに入っていくと思うので、採用に集中したいと思います。それでは最後までお付き合いいただきありがとうございました!

※ 画像は開発中のものです。今後大きく変更される可能性があります。
※ 画像は開発中のものです。今後大きく変更される可能性があります。

ミッションに関心をもっていただけたなら、どなたでもご連絡ください

この記事を読んで、Polyscapeの創ろうとしている世界・ミッションに少しでも興味・関心をもっていただけたなら、どなたでもご連絡をお待ちしています。今は創業にあたっての仲間集めをしている最中なので、一緒に働くことに興味のある方のご連絡は大歓迎ですが、それ以外でもVCの方や近い領域で働かれている方、情報交換したい起業家の方などのご連絡も歓迎です。

また、採用に関してはCTO・エンジニアからアートディレクター、3Dモデラーやブロックチェーン関連の顧問まで幅広く募集しています。オープンポジションもありますので募集に無い職種の方も積極的にご応募いただければと思います。創業期なので、これから一緒に会社を作っていきたい方を待っています!詳しくは採用ページを御覧ください。

採用ページからの応募や、TwitterでのリプライやDM、Facebookやメール(info@polyscape.io)などでも結構ですのでお気軽にご連絡ください。

--

--

Hiroki Shimada
Hiroki Shimada

Written by Hiroki Shimada

CEO at Polyscape Inc. / Producer & Director of MISTROGUE / ex CEO at LAPRAS Inc. / MSc in Artificial Intelligence at University of Edinburgh

No responses yet