今日で30歳になりました。自分の30歳のテーマは、賢くクレイジーであれ、ということです。今回はクレイジー(Crazy)であることとはどういうことで、なぜそれが重要かということを書いてみました。 クレイジーであることとはどういうことか クレイジーである行動にはどんなものが挙げられるだろうか。ホテルの窓からテレビを投げ捨てた上でチェックアウトの際に現金で弁償するといった行動(※1)は間違いなくクレイジーだ。大きな会社の社長が自社の生放送のポッドキャストでマリファナを吸って自社の株価を10%下げるといったこともクレイジーだ(※2)。また、給料も良い大手コンサル会社を辞めて周りの人が反対する中いきなり起業したりするのもまたクレイジーなことかもしれない(※3)。 一見すると、クレイジーな行動はすべてバカ(Stupid)な行いのように見えるかもしれないが、実際のところ、クレイジーであることとバカであることは全く関係が無い。だからクレイジーの反意語はクレバー(Clever)ではない。クレイジーの反意語はしらふ(Sober)だ。まともな判断とは、大多数の人が見た時にほとんどの人が賛同するような判断のことだ。つまり逆に言えば、多くのランダムな人を集めたときに反対する人が多ければその選択肢はCrazyであるといえる。また、大学を休学するとか、無収入のバンドマンと駆け落ちするとか、髪の毛を虹色に染めるとか、だいたいの親が反対しそうなことは全部クレイジーといえるので、行動のクレイジー度合いは親の顔を思い浮かべることで測ることができる。

クレイジーであることはなぜ重要か
クレイジーであることはなぜ重要か

今日で30歳になりました。自分の30歳のテーマは、賢くクレイジーであれ、ということです。今回はクレイジー(Crazy)であることとはどういうことで、なぜそれが重要かということを書いてみました。

クレイジーであることとはどういうことか

クレイジーである行動にはどんなものが挙げられるだろうか。ホテルの窓からテレビを投げ捨てた上でチェックアウトの際に現金で弁償するといった行動(※1)は間違いなくクレイジーだ。大きな会社の社長が自社の生放送のポッドキャストでマリファナを吸って自社の株価を10%下げるといったこともクレイジーだ(※2)。また、給料も良い大手コンサル会社を辞めて周りの人が反対する中いきなり起業したりするのもまたクレイジーなことかもしれない(※3)。

一見すると、クレイジーな行動はすべてバカ(Stupid)な行いのように見えるかもしれないが、実際のところ、クレイジーであることとバカであることは全く関係が無い。だからクレイジーの反意語はクレバー(Clever)ではない。クレイジーの反意語はしらふ(Sober)だ。まともな判断とは、大多数の人が見た時にほとんどの人が賛同するような判断のことだ。つまり逆に言えば、多くのランダムな人を集めたときに反対する人が多ければその選択肢はCrazyであるといえる。また、大学を休学するとか、無収入のバンドマンと駆け落ちするとか、髪の毛を虹色に染めるとか、だいたいの親が反対しそうなことは全部クレイジーといえるので、行動のクレイジー度合いは親の顔を思い浮かべることで測ることができる。

※1. レッド・ツェッペリン
※2.
イーロン・マスク
※3.
南場智子

クレイジーとクレバーは両立できる

バカ(Stupid)とクレイジー(Crazy)が同義でないとしたら、人・あるいは人の行動は次のような4象限に分けることができる。クレバー(Clever)とはいわば計画的で先を見通し、起こりうるリスクを見通して最小化したりできるということだ。バカはその逆で無計画でリスクに無頓着、そして突発的・衝動的なことを言う。

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(English Version is here.) 前回の記事でもお伝えしたように、2022年2月にLAPRASの代表を交代し、2022年2月22日に、新会社 株式会社Polyscape(ポリスケープ)を設立しました。そして、本日設立およびシード資金調達のプレスリリースを出しました。と同時に、公式WEBサイトも公開しました。 WEBサイト:https://www.polyscape.io/ この記事では、Polyscapeのミッション、名前の由来、この会社で創ろうとしている世界、そしてそれまでの道のりについて語っていきたいと思います。 人がより自由に生きられるバーチャル世界を創造する 「人がより自由に生きられるバーチャル世界を創造する。」これがPolyscapeのミッションステートメントです。前回の記事では「人類をもっと自由にする」というミッションと「バーチャル世界に経済圏を創り、 より自由な経済活動を創出する」という10年ビジョンでしたが、少しフォーカスを絞りました。究極的には「人類をもっと自由にする」というPurposeを目指してはいるのですが、やってることをより伝わりやすくしたかったのと、しばらくの間はバーチャル世界の可能性にベットしていくと思ったからです。ただ、見ての通り軸はほとんど変わらないです。

株式会社Polyscapeを設立しました。人がより自由に生きられるバーチャル世界創造に向けて。
株式会社Polyscapeを設立しました。人がより自由に生きられるバーチャル世界創造に向けて。

(English Version is here.)

前回の記事でもお伝えしたように、2022年2月にLAPRASの代表を交代し、2022年2月22日に、新会社 株式会社Polyscape(ポリスケープ)を設立しました。そして、本日設立およびシード資金調達のプレスリリースを出しました。と同時に、公式WEBサイトも公開しました。
WEBサイト:https://www.polyscape.io/

この記事では、Polyscapeのミッション、名前の由来、この会社で創ろうとしている世界、そしてそれまでの道のりについて語っていきたいと思います。

人がより自由に生きられるバーチャル世界を創造する

「人がより自由に生きられるバーチャル世界を創造する。」これがPolyscapeのミッションステートメントです。前回の記事では「人類をもっと自由にする」というミッションと「バーチャル世界に経済圏を創り、 より自由な経済活動を創出する」という10年ビジョンでしたが、少しフォーカスを絞りました。究極的には「人類をもっと自由にする」というPurposeを目指してはいるのですが、やってることをより伝わりやすくしたかったのと、しばらくの間はバーチャル世界の可能性にベットしていくと思ったからです。ただ、見ての通り軸はほとんど変わらないです。

詳しい意味合いは後述しますが、つまるところ、人々をより自由にするためにバーチャル上に “本当の意味で” 住める世界を創るということです。今でもまるで住んでいるかのように滞在できるバーチャル世界はありますが、本当の意味で住める場所はまだありません(「本当の意味で住める」の意味は後述)。結局生活を維持するために現実世界で働く必要があり、単なる遊びの場所にとどまっています。 現在は、自分の住む世界を選択できる状況にあるとはいえません。現実は素敵な場所ですが、生まれ、国籍、性別、人間関係、物理的制約、身体的制約など自由を縛るものもあります。現実と並ぶバーチャル世界ができれば、人々はより自由な発想で創作・生活し、望むのであればその世界で仕事を持ったり人間関係をもったりすることができます。 人がより自由に生きる選択肢を増やすために、現実以外に住める世界を創りたいと考えました。

また、なぜバーチャルか?という疑問もあるかもしれませんがバーチャル世界という言葉をミッションにあえて含めたのは、バーチャル世界の可能性に賭けたいからです。自由な世界の実現には、現実世界のしがらみや物理的制約に縛られない必要があります。もちろん、バーチャルにはバーチャルなりの制約があります(触覚や嗅覚がないとか)が、それは長期的には解決し、できることが増え、いずれリアルの価値に匹敵するものになるということにベットしています。たとえばWEST WORLD(非バーチャル × 非現実を描いたドラマです。見てない人は見ましょう。ただしシーズン1,2だけでいいです)のような世界観もなくはないですが、このミッションのうちはバーチャルにフォーカスしたいと思います。

Polyscapeが創りたい世界

バーチャルな世界が本当の意味で住める世界になるために必要な要素として、私は現時点では次の3つの条件が必要ではないか考えています。(事業を進めていくにつれて、解像度が上がり増えたり減ったりすると思います)

  1. ずっと居たいと思える
  2. 尽きない
  3. 生計を立てられる

これらについて説明します。

条件1:ずっと居たいと思える

これは、その世界に大切な人、大切なもの、楽しいことや遊びたいこと、価値ある体験があり、その人にとって帰りたい場所と思えるかどうかということを表します。これは、その世界にどれだけ時間を注ぎ込みたいと思えるかというところにつながります。この要素が無い世界は、根本的に人が時間を注ごうとしないので仮に生計を立てられる(お金を稼げる)としても、それらが長期的に繁栄することはなく、なにかがその上に発展するといったがプラットフォーム的な成長をすることはありえません。ある意味で、最も大切な要素といえます。

条件2:尽きない

これは、その世界においてやること「Todo」が永遠になくならないということを表します。コンテンツやイベントが生産され続ける仕組みがあり、決して飽きない、永遠にい続けられる無限性を有しているかということです。 これは1に内包される要素に見えますが、「ずっと居たいと思う」けど、「ずっといるとやることが尽きてしまう」という状況になることは往々にしてあり、これもまた重要な要素であるといえます。

条件3:生計を立てられる

これは、その世界での活動を通じて、現実での生活を維持することができることを表します。これが達成されれば、仮に24時間365日そこにいても現実での生計を立てられるので、いる時間の制約がなくなります。結果として、その世界には経済圏、価値とお金の交換の流れが出来上がります。私たちは、Play To Earnのような要素はあくまでも目的ではなく、ずっと居て住み続けることを可能にするための手段だと考えています。

2022年現在において、「現実」以外にこの条件をすべて満たす世界はあるでしょうか。VR ChatやNeos VR、マインクラフトはユーザーがコンテンツを生産し続けるため「尽きない」が、現在は生計を立てられる手段には乏しいです。 FINAL FANTASY XIVやFortniteのようなMMOゲームは1日10時間以上プレイする人もいて「ずっと居たいと思える」が運営のコンテンツ生産に縛られているためいずれ尽きる上、生計を立てられないためずっとやっていることができません(そのため、ずっとやっていると廃人などと呼ばれます)。Axie Infinityでは生計を立てている人もいるが、ずっと居たいと思えるかは怪しいし、できることの幅も狭く、世界というよりはあくまで現実上の遊びに過ぎません。

個人的には1の条件が最も重要だと思っており、いま出ているメタバースと呼ばれているプロジェクトの多くはその条件をクリアできずに「世界」にはならず、あくまで特定の用事を果たすため現実を延長した「メディア」「媒体」に近づくと考えています。(もちろん、現実を延長したメディアとしてのメタバースも一定の価値・市場規模はあると考えます)

Polyscapeってどういう意味?

ここで、Polyscapeのミッションをより深く理解していただくために社名の由来について説明したいと思います。Poly は「多数」とか「多量」という意味で、-scapeはlandscapeとかseascapeなどと使われるように、接尾辞として「風景」という意味を表します。なので直訳すると、「多層的な風景」といった意味になります。

「スケープ」というのは「風景」という意味にはなるものの、我々的にはこれを特殊な意味として用いています。それは、定義するとすれば「人々が住み、生きることができる時空間」といったところでしょうか。私達が生活する「現実」もそのひとつだと考えています(エンジニア的に言うと、「現実」というのはScapeクラスのインスタンスに過ぎないということ)。

たとえば、アニメ「ソードアート・オンライン(SAO)」の世界ではファンタジー世界を剣戟で戦うVRMMOソードアート・オンライン以外にも荒野を銃で戦うガンゲイルオンライン(GGO)や妖精になって冒険するアルヴヘイム・オンライン(ALO)など様々なMMOが存在します。作中では、これらのMMOは単なるゲームではなく、人々が生活を営む場として描かれています。つまり、「住む」ことができる時空間が現実以外にもあるのです。

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2016年5月から自分は株式会社scouty及びLAPRAS株式会社の代表取締役 社長を5年半務めてきましたが、プレスリリースの通り、2022年2月1日の株主総会を以て、LAPRAS株式会社の代表取締役を辞任し、元執行役員COOの染谷さんに交代することになりました。LAPRAS BACKBONEの染谷さんとの対談記事の中で背景などは詳しく説明しているので、この記事では、そこに加えて今後やろうとしていることなどをお伝えしたいと思います。 代表交代の理由 一言でいうと、会社が自分が最も価値の出せるフェーズを越え、次のフェーズを迎えている中で、もっと代表としてバリューを発揮できる人にバトンタッチしたいと思ったからです。そこで、CEO・代表として最もバリューを発揮できると思った元COOの染谷さんに代表交代の打診を自分から切り出しました。 自分はものづくりやコンセプトメイキングが好きです。自分はscoutyの初期のプロダクトのプロトタイプやデザイン、「AIヘッドハンティングサービス」という初期のコンセプトや「世の中のミスマッチを無くす」というミッションなど、いろいろな0→1をやってきました。お陰様でLAPRASは成長しこの0→1フェーズを抜け出し、キャリアマッチングサービスとして利便性と収益性を高めるというフェーズを迎えました。そんな中より筋肉質な経営やよりタフな意思決定が求められるようになる中で、「自分はこのフェーズでバリューを発揮できているのか?」といった疑問が湧いてきました。そのあたりの時期から、次のフェーズに向けてもっとこのフェーズが得意な人に代表をバトンタッチしたほうがいいのではないか、と思うようになりました。「Exitもしていない中での交代は早すぎるのではないか」「途中で投げ出しているようで無責任なのではないか」とそこから1年半ほどずっと悩んでいましたが、そういう悩みを抱えたままトップに立ち続けるのも会社のためにならないと考え、9月に代表交代を決心しました。

LAPRAS 代表を交代します
LAPRAS 代表を交代します
自分(左)と新代表の染谷さん(右)

2016年5月から自分は株式会社scouty及びLAPRAS株式会社の代表取締役 社長を5年半務めてきましたが、プレスリリースの通り、2022年2月1日の株主総会を以て、LAPRAS株式会社の代表取締役を辞任し、元執行役員COOの染谷さんに交代することになりました。LAPRAS BACKBONEの染谷さんとの対談記事の中で背景などは詳しく説明しているので、この記事では、そこに加えて今後やろうとしていることなどをお伝えしたいと思います。

代表交代の理由

一言でいうと、会社が自分が最も価値の出せるフェーズを越え、次のフェーズを迎えている中で、もっと代表としてバリューを発揮できる人にバトンタッチしたいと思ったからです。そこで、CEO・代表として最もバリューを発揮できると思った元COOの染谷さんに代表交代の打診を自分から切り出しました。

自分はものづくりやコンセプトメイキングが好きです。自分はscoutyの初期のプロダクトのプロトタイプやデザイン、「AIヘッドハンティングサービス」という初期のコンセプトや「世の中のミスマッチを無くす」というミッションなど、いろいろな0→1をやってきました。お陰様でLAPRASは成長しこの0→1フェーズを抜け出し、キャリアマッチングサービスとして利便性と収益性を高めるというフェーズを迎えました。そんな中より筋肉質な経営やよりタフな意思決定が求められるようになる中で、「自分はこのフェーズでバリューを発揮できているのか?」といった疑問が湧いてきました。そのあたりの時期から、次のフェーズに向けてもっとこのフェーズが得意な人に代表をバトンタッチしたほうがいいのではないか、と思うようになりました。「Exitもしていない中での交代は早すぎるのではないか」「途中で投げ出しているようで無責任なのではないか」とそこから1年半ほどずっと悩んでいましたが、そういう悩みを抱えたままトップに立ち続けるのも会社のためにならないと考え、9月に代表交代を決心しました。

また、ホラクラシーという自律的な組織体制もあり、自分に対する依存性も少なく、実質的に自分がいなくても組織が回り、今後も成長をすることができると確信したという事も理由にあります。他の組織形態よりも権限委譲のスピードが早く、まだ30人ほどの小さな組織ではありますが、事業運営はほぼ手離れした状態ができていました。

先日、SmartHRの宮田さんもCEO退任の記事を出されていましたが、会社の規模も成し遂げたことの規模も全く違いますが、書かれていることは非常に共感がありました。会社という10年、20年を越える時間軸の中で適切な経営者を選択するのは会社の成長にとっても重要ですし、タイミングに関してはExitした後にすべきだなどという議論は当然あると思いますが、その最適なタイミングは企業ごとに違うのだと思います。今後、スタートアップCEOのあり方はより多様化していくと思います。

これからのLAPRAS

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この記事では、ホラクラシーを実践する中でその弱みを補う「SoulのPurpose」という考え方を創った経緯や考え方について書く。 ホラクラシーって何?という方はこちらの記事をお読みいただきたい。 ホラクラシーの強みと弱み ホラクラシーには強みと弱みがある。それぞれに関しては、ホラクラシーの功罪、そして理想の組織とはという記事で詳しく書いたが、その多くは「RoleとSoul(役割と人)の分離」という概念からもたらされる。Soulというのは人のことで、人と役割を分離するということはホラクラシーの本質的な考え方だ。 2つが分離されていることで人に対しての暗黙の期待が役割という形で明文化され、適材適所性が実現され、権限が適切に分散化する。しかし、その一方で、個人のミッションが曖昧になり兼務化が起こり、結果としてパフォーマンスが落ちるという問題も抱えている。また、マネジメントがいないため何かのロールにアサインされるときに自分のキャリアや方向性を考えてくれる人もいない。考えることはあっても、CircleLead(LeadLink。ロールのアサイン権限を持つ人)のスタイルに委ねられるし、マネジメントではないCircleLeadにそこまでメンタリングすることを求めるのは過剰な期待だ。

ホラクラシーを補完する「SoulのPurpose」システムを創った話
ホラクラシーを補完する「SoulのPurpose」システムを創った話

この記事では、ホラクラシーを実践する中でその弱みを補う「SoulのPurpose」という考え方を創った経緯や考え方について書く。
ホラクラシーって何?という方はこちらの記事をお読みいただきたい。

ホラクラシーの強みと弱み

ホラクラシーには強みと弱みがある。それぞれに関しては、ホラクラシーの功罪、そして理想の組織とはという記事で詳しく書いたが、その多くは「RoleとSoul(役割と人)の分離」という概念からもたらされる。Soulというのは人のことで、人と役割を分離するということはホラクラシーの本質的な考え方だ。

2つが分離されていることで人に対しての暗黙の期待が役割という形で明文化され、適材適所性が実現され、権限が適切に分散化する。しかし、その一方で、個人のミッションが曖昧になり兼務化が起こり、結果としてパフォーマンスが落ちるという問題も抱えている。また、マネジメントがいないため何かのロールにアサインされるときに自分のキャリアや方向性を考えてくれる人もいない。考えることはあっても、CircleLead(LeadLink。ロールのアサイン権限を持つ人)のスタイルに委ねられるし、マネジメントではないCircleLeadにそこまでメンタリングすることを求めるのは過剰な期待だ。

ホラクラシー憲法にはCircleLeadはアサイン権限を持っているという記述しかなく、何に基づいてアサインを行えばいいかなど、アサインに関する指針が何も無い。そのためCircleLeadの独断で誰に何を任せるかが決まる。SoulとRoleを分けすぎたせいで、その人のやりたいことや今後のキャリアの方向性やモチベーションが置いてけぼりになってしまうのだ

普通、個人の意思が明確化されていないので、これに関して暗黙の期待や想定をしてしまう。あの人はマネジメントするよりもコードが書きたいんだ、とか、あの人はUIデザインよりもUXデザインに興味があるんだ、とか。しかし、この想定はずれていれば危険だし、すり合わせを行うにも多大な1on1の時間を食うことになる。

そこで導入した「SoulのPurpose」

この問題に対処するため、私達は「Soul(つまり人)にPurposeを設定・明文化する」というアプローチをとった。いわばホラクラシーのエクステンションとして、Soulという「人」の概念を作り、そこに目的を割り当てるというやり方だ。

目的といったときに、ふたつの意味合いがある。ひとつは、「なぜこの組織で働いているのか」というそもそも目的で、これは「お金を稼いで家族を養うため」とか「居場所がほしいから」というものでも良い。もうひとつは、「組織内での自分の目的」で、自分の使命やミッションに近いものだ。これは会社から与えられたものではなく、あくまで自分の中にある意思・ウィルのことだ。もとの課題を考えた時に、正しくアサインをするためにはこの2つの両方が必要になる。

そこで、我々はSoulのPurposeを「なぜこの組織にいて、ここで何がやりたいか?」というものと定義した。これは誰かに設定してもらったり会社から与えられるものではなく、周りの人との壁打ちやコーチングを経て自分で設定するものだ。

SoulのPurposeはアサインのガイドラインとなり、CircleLeadのアサインの際の道標になるほか、自分が何かのアサインを受けるときの意思決定にも使える。つまり、きちんと自分のPurposeにログインできていれば、そこに関係の無いアサインをきちんと断ることができる。これによって、兼務やフォーカスの散逸化の問題もいくらか改善できる。

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よく、スタートアップにおいてブランディングはいつから何をすればいいのか?という疑問を聞くが、今回はスタートアップのブランディングのための強力なツールであるBVS(Brand Value Sheet) について紹介する。LAPRASでも最近BVSを作りブランドの目指す姿を明らかにしたので、その事例も交えて紹介したいと思う。

BVSとはなにか

BVSというのは、Brand Value Sheetの略で、一言でいうと自社のブランドのあるべき姿・理想の姿をまとめたシートである。ブランドには様々な定義があるが、ここでは「消費者(広義にはそれ以外のステークホルダーも含む)が自社のことを考える時に想起するユニークなストーリー」[1] のことを意味する。いわばブランドというのは消費者が自社について勝手かつ独自に思い浮かべるストーリーで、それを自社の目的に沿うよう意図したものに変えていくというのがブランディングおよびブランドマネジメントというものだ。BVSの各項目やLAPRASのBVSの例は後述する。

BVSが何故必要か

ブランドというのは、ブランドマネジメントチームが直接的に顧客に働きかけることで形成されるわけではない。自社の広告や製品やカスタマーサービス、記事やリリース、社員の発言など、自社の様々な要素が顧客と接することで自然と形成されていくのだ。たまにプロモーションの方法や活動をブランディングと捉えている人もいるが、それは大きな間違いだ。 たとえプロモーションを工夫してもサービスの中身の実態が変わってなければ、意図したブランドを構築することはできない。

したがって、意図したブランドを作るには、まずは社内を変えなければならない。つまり外部に展開すべきブランドの内部浸透を行い、それが外に染み出していくような体制を作ることがブランドマネジメントにおいては重要である。

ブランドマネジメントの全体像

だからこそ、ブランド・マネジメントは難しい。会社として一貫したブランド価値を提供していくためには、まずは社員がブランドの理想像に関して共通の認識を持たなければならない。その「理想の共通認識」を規定するのがBVSだ。現状はどうあれ、まずはこれを目指しますという像がなければ、ブランドを語ることもアップデートすることもできない。そのためブランディングにはBVS、少なくともそれに準ずる何かが必要なのだ。

スタートアップはブランドをいつから考え始めるべきか?

スタートアップはリソースが限られており、明日のために生きている部分もある中で、スタートアップがブランドをいつから考え始めるべきかはしばしば語られるトピックになっている。

これに関しては諸説あるのでこれという答えは無いが、個人的にはアーリーステージでは大それたブランディングは必ずしも必要ないように思える。ただし、ブランドというのは一度作り上げられてしまうと後戻りが効きづらいので、早い段階で社内の共通認識の明文化を行い、発信するものの統一化を行う必要はあるように思う(逆に言えば、それで十分だ)。 BVSは1回で作り上げて完成するものではなく、何度もブラッシュアップを経てできていくものなので、共通認識・認識のたたき台を作るという意味では作っておいて早すぎることは無いだろう。

BVSの作り方

BVSの項目

BVSはBVSと呼ばれていなかったり、別な呼び方をされていることもあるが、大きくは以下のような項目から構成される。これはこの項目でないといけないわけではないので、あくまで一例としてご覧いただければよいだろう。

  • MVV:ミッション・ビジョン・バリュー。ブランドバリューの基礎となるコアを言葉として表したもの。
  • 理想的な顧客像:ターゲットユーザーやペルソナとして、誰を想定しているのか。
  • ブランドパーソナリティ:ブランドの人格のようなもので、ブランドを擬人化した際にどのような言動や行動をしたりするかをまとめたもの。
  • ブランドプロミス:そのブランドが顧客に約束する一言[1]。Evernoteの「すべてを記憶する」や「買えるものはマスターカードで」など。
  • ブランドポジショニング:顧客の頭の中の駐車スペースを見つけ、誰かに先を越される前にそこに駐車すること[1]と説明されるような、製品の位置付け。
  • ブランドのコアバリュー:ブランドの提供するベネフィット(心理的・機能的)のうち、コアとなるもの。

LAPRASのBVSの例

LAPRASでは、2020年10月にミッション・ビジョンを変更したので、それに伴いバリューを変更し、同時にBVSも改めて明文化した。以下にLAPRASのBVSから一部のページを抜粋した。

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LAPRASでは、今後のサービス開発のために職務経歴書系のサービスや、転職者や人事の職務経歴書の利用の実態の調査を行った。今回は、その内容を公開するとともに今後の職務経歴書のあり方を考えてみようと思う。 なぜ職務経歴書系サービスを調査したのか? LAPRASのプロダクトマネジメントチームは エンドユーザーファーストというバリューのもと日々ユーザーのニーズや課題を調査しているが、そういった調査をする中で、既存の職務経歴書の作成にpainを抱えているユーザーが多いということがわかってきた。それは「職務経歴書の作成が面倒くさい」「どのようにして自分を魅力的に見せればいいかわからない」といったもので、根本的には「自分をちゃんと理解して評価してくれる企業に必要とされたい」という潜在的なニーズに基づいている。そういったニーズを鑑みて、我々は新しい方針を立てた。 LAPRASはすでにSNSを用いてエンジニアのポートフォリオが自動的に作れるという機能を持っているが、今年はこれをさらに拡張して、「職務経歴書の再発明」をテーマとすることにした。これは職務経歴書自体に代わるWEBレジュメを作ろうという事に限った話ではなく、その作り方や用途・使われ方・流通やインタラクションを含めた大きな意味での再発明を意味している。この詳細は後述する。

職歴経歴書生成系HR Techサービスを徹底調査し、これからの職務経歴書のあり方を考えた
職歴経歴書生成系HR Techサービスを徹底調査し、これからの職務経歴書のあり方を考えた

LAPRASでは、今後のサービス開発のために職務経歴書系のサービスや、転職者や人事の職務経歴書の利用の実態の調査を行った。今回は、その内容を公開するとともに今後の職務経歴書のあり方を考えてみようと思う。

なぜ職務経歴書系サービスを調査したのか?

LAPRASのプロダクトマネジメントチームは エンドユーザーファーストというバリューのもと日々ユーザーのニーズや課題を調査しているが、そういった調査をする中で、既存の職務経歴書の作成にpainを抱えているユーザーが多いということがわかってきた。それは「職務経歴書の作成が面倒くさい」「どのようにして自分を魅力的に見せればいいかわからない」といったもので、根本的には「自分をちゃんと理解して評価してくれる企業に必要とされたい」という潜在的なニーズに基づいている。そういったニーズを鑑みて、我々は新しい方針を立てた。

LAPRASはすでにSNSを用いてエンジニアのポートフォリオが自動的に作れるという機能を持っているが、今年はこれをさらに拡張して、「職務経歴書の再発明」をテーマとすることにした。これは職務経歴書自体に代わるWEBレジュメを作ろうという事に限った話ではなく、その作り方や用途・使われ方・流通やインタラクションを含めた大きな意味での再発明を意味している。この詳細は後述する。

それにより転職時の負を解消し、自分をよりよく見せることのできる表現を簡単に作れるという価値を提供したいと思っている。新たな表現を得た先には、その表現を足がかりにその人にとって最善のマッチングを実現したいと考えている。

海外の職務経歴書生成系サービス

自社のサービスづくり・課題解決の参考にすべく、特に職務経歴書を作るというプロセスにおいて海外の職務経歴書作成ツールやAIによる生成ツールを調査した。以下はその一部である。

enhancv

enhancvによる職務経歴書(画像は同社WEBサイトより引用)

enhancvは、WEBサイト上のツールで美しいレジュメ・CVが作成できるというサービスだ。テンプレートベースで、様々な形の職務経歴書を作ることができる。料金は$10~$20程度。ビジネスモデルはこれとキャリアコンサルティングのみのようで、2014年創業でCrunchBaseによると累計調達額が約3000万円程度と、公開情報だけだと会社としてうまくいっているかは微妙に見える。

kickresume

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2020年も残り少なくなってきた。世界的にはコロナ恐慌に見舞われた1年だったが、LAPRASとしては資金調達や執行役員陣変更、新サービスのリリースなど良いことも大変だったことも盛りだくさんの1年であったので、プロダクト、組織、経営、そして自分という4軸でなるべく見栄を張らずオープンかつ赤裸々に振り返ってみる。

プロダクト:LAPRASを軸にしっかりと成長できた1年

2019年4月10日にリリースしたC向けLAPRASであるが、これはリリース当初から順当にユーザーを獲得して、今年の9月には累計登録ユーザー数が1万人を越えた。

LAPRAS 累計登録ユーザー数の変化

4−6月はコロナの打撃を受けたものの、サービスを通じて発生したマッチング数(内定受諾数)は今年の始めと比較して大きく伸びた。これはLAPRASの成長も起因していて、LAPRASでアクティブなユーザーが増えるほどにマッチング数も大きくなっている。

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2020年の秋、LAPRASはミッションを変更した。今後LAPRASの向かう方向性と今後我々が採用市場で起こると信じていることを書いてみようと思う。

LAPRAS社のミッション変更

2020年の秋、LAPRASは自社のミッションを「すべての人に最善の選択肢をマッチングする」というものに変更した。

LAPRASはこれまで何度もミッションステートメントを変更していて、最初の「世の中のミスマッチを無くす」から、3回目の変更となる。目指しているものが変わったというよりは、これを本気で追う事業側と代表である自分の目指したいものとの齟齬を無くすためより正確な表現になった、という感じだ。

ミッションにおける「最善の選択肢」とは何か。これはいわばその人にとっての世の中の本当の「Best of All」である選択肢という意味で、自分の国や認知・手の届く範囲を越えた全範囲でのベスト、というものだ。

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先日、LAPRASはいままで掲げていたバリューを一新して、新バリューを制定した。そのときのバリューの決め方や浸透させるための運用法について書いてみる。LAPRASの新バリューは、3つのメインバリューと12のサブバリューから構成されていて、よりシンプルかつ具体的になった。詳細は以下のリンクからみていただきたい。

新バリューはこちら:LAPRAS VALUES

LAPRASの新バリュー

バリューとは何か

バリューを社に浸透させるにあたり、まず「バリューとはこの会社では何なのか」を決めなければいけない。これは普遍的な定義である必要はなくて、その会社ごとの定義で良い。でもとにかく決めることが重要だ。LAPRASでは、バリューを以下のように定義した。

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Hiroki Shimada

CEO at Polyscape Inc. / Producer & Director of MISTROGUE / ex CEO at LAPRAS Inc. / MSc in Artificial Intelligence at University of Edinburgh