今日で30歳になりました。自分の30歳のテーマは、賢くクレイジーであれ、ということです。今回はクレイジー(Crazy)であることとはどういうことで、なぜそれが重要かということを書いてみました。 クレイジーであることとはどういうことか クレイジーである行動にはどんなものが挙げられるだろうか。ホテルの窓からテレビを投げ捨てた上でチェックアウトの際に現金で弁償するといった行動(※1)は間違いなくクレイジーだ。大きな会社の社長が自社の生放送のポッドキャストでマリファナを吸って自社の株価を10%下げるといったこともクレイジーだ(※2)。また、給料も良い大手コンサル会社を辞めて周りの人が反対する中いきなり起業したりするのもまたクレイジーなことかもしれない(※3)。 一見すると、クレイジーな行動はすべてバカ(Stupid)な行いのように見えるかもしれないが、実際のところ、クレイジーであることとバカであることは全く関係が無い。だからクレイジーの反意語はクレバー(Clever)ではない。クレイジーの反意語はしらふ(Sober)だ。まともな判断とは、大多数の人が見た時にほとんどの人が賛同するような判断のことだ。つまり逆に言えば、多くのランダムな人を集めたときに反対する人が多ければその選択肢はCrazyであるといえる。また、大学を休学するとか、無収入のバンドマンと駆け落ちするとか、髪の毛を虹色に染めるとか、だいたいの親が反対しそうなことは全部クレイジーといえるので、行動のクレイジー度合いは親の顔を思い浮かべることで測ることができる。

クレイジーであることはなぜ重要か
クレイジーであることはなぜ重要か

(English Version is here.) 前回の記事でもお伝えしたように、2022年2月にLAPRASの代表を交代し、2022年2月22日に、新会社 株式会社Polyscape(ポリスケープ)を設立しました。そして、本日設立およびシード資金調達のプレスリリースを出しました。と同時に、公式WEBサイトも公開しました。 WEBサイト:https://www.polyscape.io/ この記事では、Polyscapeのミッション、名前の由来、この会社で創ろうとしている世界、そしてそれまでの道のりについて語っていきたいと思います。 人がより自由に生きられるバーチャル世界を創造する 「人がより自由に生きられるバーチャル世界を創造する。」これがPolyscapeのミッションステートメントです。前回の記事では「人類をもっと自由にする」というミッションと「バーチャル世界に経済圏を創り、 より自由な経済活動を創出する」という10年ビジョンでしたが、少しフォーカスを絞りました。究極的には「人類をもっと自由にする」というPurposeを目指してはいるのですが、やってることをより伝わりやすくしたかったのと、しばらくの間はバーチャル世界の可能性にベットしていくと思ったからです。ただ、見ての通り軸はほとんど変わらないです。

株式会社Polyscapeを設立しました。人がより自由に生きられるバーチャル世界創造に向けて。
株式会社Polyscapeを設立しました。人がより自由に生きられるバーチャル世界創造に向けて。

2016年5月から自分は株式会社scouty及びLAPRAS株式会社の代表取締役 社長を5年半務めてきましたが、プレスリリースの通り、2022年2月1日の株主総会を以て、LAPRAS株式会社の代表取締役を辞任し、元執行役員COOの染谷さんに交代することになりました。LAPRAS BACKBONEの染谷さんとの対談記事の中で背景などは詳しく説明しているので、この記事では、そこに加えて今後やろうとしていることなどをお伝えしたいと思います。 代表交代の理由 一言でいうと、会社が自分が最も価値の出せるフェーズを越え、次のフェーズを迎えている中で、もっと代表としてバリューを発揮できる人にバトンタッチしたいと思ったからです。そこで、CEO・代表として最もバリューを発揮できると思った元COOの染谷さんに代表交代の打診を自分から切り出しました。 自分はものづくりやコンセプトメイキングが好きです。自分はscoutyの初期のプロダクトのプロトタイプやデザイン、「AIヘッドハンティングサービス」という初期のコンセプトや「世の中のミスマッチを無くす」というミッションなど、いろいろな0→1をやってきました。お陰様でLAPRASは成長しこの0→1フェーズを抜け出し、キャリアマッチングサービスとして利便性と収益性を高めるというフェーズを迎えました。そんな中より筋肉質な経営やよりタフな意思決定が求められるようになる中で、「自分はこのフェーズでバリューを発揮できているのか?」といった疑問が湧いてきました。そのあたりの時期から、次のフェーズに向けてもっとこのフェーズが得意な人に代表をバトンタッチしたほうがいいのではないか、と思うようになりました。「Exitもしていない中での交代は早すぎるのではないか」「途中で投げ出しているようで無責任なのではないか」とそこから1年半ほどずっと悩んでいましたが、そういう悩みを抱えたままトップに立ち続けるのも会社のためにならないと考え、9月に代表交代を決心しました。

LAPRAS 代表を交代します
LAPRAS 代表を交代します

この記事では、ホラクラシーを実践する中でその弱みを補う「SoulのPurpose」という考え方を創った経緯や考え方について書く。 ホラクラシーって何?という方はこちらの記事をお読みいただきたい。 ホラクラシーの強みと弱み ホラクラシーには強みと弱みがある。それぞれに関しては、ホラクラシーの功罪、そして理想の組織とはという記事で詳しく書いたが、その多くは「RoleとSoul(役割と人)の分離」という概念からもたらされる。Soulというのは人のことで、人と役割を分離するということはホラクラシーの本質的な考え方だ。 2つが分離されていることで人に対しての暗黙の期待が役割という形で明文化され、適材適所性が実現され、権限が適切に分散化する。しかし、その一方で、個人のミッションが曖昧になり兼務化が起こり、結果としてパフォーマンスが落ちるという問題も抱えている。また、マネジメントがいないため何かのロールにアサインされるときに自分のキャリアや方向性を考えてくれる人もいない。考えることはあっても、CircleLead(LeadLink。ロールのアサイン権限を持つ人)のスタイルに委ねられるし、マネジメントではないCircleLeadにそこまでメンタリングすることを求めるのは過剰な期待だ。

ホラクラシーを補完する「SoulのPurpose」システムを創った話
ホラクラシーを補完する「SoulのPurpose」システムを創った話

LAPRASでは、今後のサービス開発のために職務経歴書系のサービスや、転職者や人事の職務経歴書の利用の実態の調査を行った。今回は、その内容を公開するとともに今後の職務経歴書のあり方を考えてみようと思う。 なぜ職務経歴書系サービスを調査したのか? LAPRASのプロダクトマネジメントチームは エンドユーザーファーストというバリューのもと日々ユーザーのニーズや課題を調査しているが、そういった調査をする中で、既存の職務経歴書の作成にpainを抱えているユーザーが多いということがわかってきた。それは「職務経歴書の作成が面倒くさい」「どのようにして自分を魅力的に見せればいいかわからない」といったもので、根本的には「自分をちゃんと理解して評価してくれる企業に必要とされたい」という潜在的なニーズに基づいている。そういったニーズを鑑みて、我々は新しい方針を立てた。 LAPRASはすでにSNSを用いてエンジニアのポートフォリオが自動的に作れるという機能を持っているが、今年はこれをさらに拡張して、「職務経歴書の再発明」をテーマとすることにした。これは職務経歴書自体に代わるWEBレジュメを作ろうという事に限った話ではなく、その作り方や用途・使われ方・流通やインタラクションを含めた大きな意味での再発明を意味している。この詳細は後述する。

職歴経歴書生成系HR Techサービスを徹底調査し、これからの職務経歴書のあり方を考えた
職歴経歴書生成系HR Techサービスを徹底調査し、これからの職務経歴書のあり方を考えた
Hiroki Shimada

CEO at Polyscape Inc. / Producer & Director of MISTROGUE / ex CEO at LAPRAS Inc. / MSc in Artificial Intelligence at University of Edinburgh